【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

それを聞いて、俺から安堵のため息が漏れる。


美桜は風磨って男を好きなわけじゃない。


ただそれだけのことなのに、こんなに救われるものなのか…。


「でも…」


聖夜がまた口を開いたとき、俺の表情がまた険しくなる。


今度はなんだ…?


「美桜は大切な幼なじみを傷つけたのと、失ったのとで『もう恋愛はしない』と決めつけているらしい…」


「考えてみれば、美桜の気持ち、わからなくもないよな…」と、聖夜は呟いて、残りの缶コーヒーを飲み干した。