【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

予想はしていたけれど、やはり胸が痛む。


「それでその風磨って男は、ずっと美桜のことを好きだったらしい」


聖夜のその言葉を聞いた途端、俺の中から何かドス黒い感情が溢れてきた。


美桜が他の男といるところを想像するだけで、胸が張り裂けそうだった。


「でも、美桜はそいつを恋愛対象として見ていなかったらしい」


聖夜は俺の表情を確認しながら、ゆっくりと続けた。


「だから風磨って男を3ヶ月前に振ってるんだ」