【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

まるで自分の心にかかっていた霧が、少しずつ晴れていくような気分…。


そんなことを考えているうちに、俺はいつの間にか眠りに落ちていた。





「……まと…あまと…天翔!!」


「ん〜…?」


誰かに名前を呼ばれ、ゆっくりと目を開ける。


「……ッ…」


体を起こそうとすると、ソファーで寝ていたせいか、体にわずかな痛みが走る。


「ずっとここにいたのか?」


俺に缶コーヒーを差し出しながら、ドカッと向かいのソファーに腰を下ろす聖夜。