【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「別に…」


「何でいるの?」


「さぁな」


俺は視線を反らしながら答えた。


そんな俺に、美桜もいつものそっけない態度で返す。


「あっそ…」


そしてしばらくの沈黙。


でも不思議と苦痛じゃない。


美桜が目の前にいる、ただそれだけなのに、俺の心はなぜか晴れ晴れとしていた。


「なぁ…?」


「ん? 何?」


俺が問いかけると、美桜はキョトンと俺を見つめる。


俺と美桜では身長差があるため、美桜は自然と上目遣いになる。