【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「そんなことねぇよ」


「…え?」


「お前にだって、人を愛することはできる」


「天翔…」


俺だって美桜に……。


だから聖夜にだってできるはずだ。


「優実だっけ? そいつに惚れてんだろ?」


「……かもな」


俺が聞くと、聖夜はどこか遠くを見つめるようにして呟いた。


「でも、今までまともに女と接してねぇし…。どうすればいいか、わかんねぇんだよ…」


聖夜はまたタメ息をつく。


最近の聖夜はやけにタメ息が多い。