【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「今回は違うのか?」


「う、うるせぇよ!!」


俺がニヤリと笑うと、聖夜は慌てて否定した。


「……女なんてみんな同じだ」


「聖夜…」


「一人の女を愛することなんて…俺にはできねぇんだよ…」


そう言う聖夜の瞳には、深い悲しみが感じられる。


こいつも、苦労するな…。


自分勝手な親のせいで、子供はこんなにも苦労する。


聖夜の親も…美桜の親も…。


そして……俺の親も…。


そんな親のせいで、俺たちは孤独の道を歩んでいるんだ…。