タバコに火をつけながら、松村天翔はあたしに聞いてきた。


タバコは昔親が吸ってたから、平気。別に好きでもないけどね。


「なんか以外だな」


「なんで?」


「タバコとか、こう言う不良に絡まれるのとか、苦手そうだから」


「だって氷の『姫桜』だぜ?」と、松村天翔はクスクスと笑った。


こいつ…笑うんだ…。初めて見た…。


初めて見る松村天翔の表情に、心臓がドキッと高鳴った。


「悪かったね…。『姫桜『じゃなくて」


自分を落ち着かせるために、松村天翔から目を反らす。