【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

フッと笑って、あたしをヒョイッと持ち上げて、バイクに乗せる。


それに胸がドキンと高鳴った。


「自分で乗れるって…」


「照れんなよ」


「照れてないし…」


あーあ…。今あたし、絶対顔真っ赤だ…。


「寒くねぇか?」


「うん。…ありがと」


天翔のお腹に腕を回しながら言うと、天翔は「別に」と言って前を向いた。


あれ…? もしかして照れてる…?


するとエンジンがかかり、バイクが発進する。


夜の冷たい風が当たって、ものすごく寒い。