赤に近い茶髪の髪に、耳には無数のピアス。


初めて間近で松村天翔の顔を見たけど…。


やっぱり整っていて、カッコいい。しかも、165㎝のあたしが見上げるくらい身長が高い。


女子が騒ぐだけあるな…。


でも、奥ぶたえの鋭い目の奥は、深く悲しみにしずんでいて、どこか切なそうだった。


光を失った瞳は、少しあたしの瞳に少し似ている気がした。


「吸っていい?」


「何を?」


「タバコ」


なんだ、タバコね…。


「いいよ」


突然だったから、びっくりしちゃった。


「平気なの?」


「何が?」


「何がって…。タバコダメなやついるじゃん?」


「あたしは大丈夫だけど…?」


「そうか…」