しばらく歩いて、バイクが停めてあった場所につく。 春とはいえ、夜はさすがに寒い。 「…くしゅん」 「ん? 寒いか?」 「…うん」 あたしが寒さに震えていると、天翔は自分の上着を脱ぐと、あたしの肩にかけてくれた。 「え? いいよ…」 あたしが上着を返そうとすると、天翔はそれを阻止する。 「いいから…。冷やすとよくねーだろ?」 「でも…」 天翔が寒いでしょ…? 「俺なんて心配いらねぇよ」