【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「さすがにそろそろ帰るか…」


天翔が時計を見ながら呟いた。


「うん…」


あたしも時計を見ると、夜の10時を過ぎたところだった。


いくら親がいなくても、さすがに帰ったほうがよさそう…。


天翔が無言で歩き出す…。


それについていくあたし。


なんか、急に天翔が遠くにいるように感じる。


離れたくない…。


あたしの中から、そんな感情が生まれてくる。


あたし…どうしちゃったの…―?