【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

あたしが言うと、天翔は目を見開いた。


「なんだ、知り合いか?」


「うん。親友だよ」


「ふーん…」


あたしが言うと、何かを考えるように黙る天翔。


「つか、お前時間大丈夫かよ!?」


すると突然、思い出したように天翔が聞いてきた。


珍しく焦ってる…。


そんな天翔にあたしはサラッと言った。


「あぁ…うち、親いないし、大丈夫」


「親がいない?」


「そ。両親とも海外で働いてる」


「へぇ…」


「だから…聖夜の気持ち、少しわかるよ」