【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「だといいけどっ…」


あたしはハハッと笑った。


そんなあたしを見て安心したのか、天翔はいつもの表情に戻っていた。


「あっ、そういえばさぁ…」


「何だよ」


「聖夜のことなんだけど…」


「あぁ、気になる女見つけたらしいな」


「ねぇ、なんで聖夜はあんなに遊んでるの?」


あたしが聞くと、天翔は少し考えてから口を開いた。


「親の…影響だな…」


「親?」


「あぁ…」


天翔はそこまで言うと、複雑な顔をして黙りこんでしまった。