【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

しばらくして、落ち着いたあたしの頭をそっと撫でる天翔。


「大丈夫か?」


「うんッ。急にごめん…」


「別に…」


…迷惑だったよね?


天翔の優しさに触れるたびに、胸が苦しくなる。


「無理に言わなくていいから」


「…え?」


そんなあたしに見かねて、天翔は顔を緩めた。


「俺と、同じ目してるからさ…わかるんだよ…」


………。


天翔はどこまであたしの心の中を乱すのだろう…。


もう…自分が自分じゃなくなっていく…。