【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「お前みたいだな…」


「へっ?」


突然天翔が呟いて、あたしは気が抜けたような声になった。


「なんか切ないとことか、イメージぴったりだ」


「意味わかんない…」


天翔って、時々意味わかんないこと言う…。


「氷の姫桜だろ?」


そう言ってクスッと笑う。


その表情に、また胸がドキンと高鳴る。


「姫…桜…」


あたし…姫なんかじゃない…。


大切な風磨を傷つけて…。


もう恋愛なんてしないって決めたのに、天翔にドキドキして…。


最低だよ…。