【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

でも…なんか嫌じゃない…。


「ほら」


「えっ?」


急に天翔が立ち止まり、あたしは顔をあげた。


「わぁ…綺麗…」


そこにはライトアップされた、桜の木が並んでいた。


あたしが思わず声をあげると、天翔は満足そうに微笑んだ。


「散り始めも綺麗だろ?」


「うん…。こんな綺麗な夜桜、初めて見た…」


あたしはその美しさに、目を見張った。


散り始めた桜の花びらが、ライトアップされて、まるで雪のようだった。


昼間とはまた違う美しさ…。