【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「美桜の迎えは、裏口のほうだから」


あたしだけに聞こえる声で言って、聖夜はニカッと笑った。


あたしの迎え…?


あたしが首を傾げると、聖夜は「ちゃんと行けよ?」と言ってバイクを走らせた。


聖夜が去ると、まわりにいた女子たちは、キャアキャア話ながら帰っていった。


あたしの迎えって何?


聖夜の言っていることがわからず、その場にたたずんでいると、後ろからバイクの走る音が聞こえた。