【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

聖夜、やっぱり…。


「この子、かなり鈍感だし、苦労するよ?」


あたしは聖夜に忠告した。


よく理由はわからないけど、天翔の態度からして、聖夜は女の子に対して何かありそうだから…。


すると、聖夜はハハッと笑った。


「昨日話してみてわかったよ」


「ならいいよ」


あたしが言うと、聖夜の顔が、パアッと明るくなった。


「じゃあ遠慮なく♪ 優実ちゃん、行こう?」


「えっ? あっ、はい…!!」


優実は驚きながらも、バイクに跨がった。


「あっ、そうだ…」


聖夜は思い出したように振り向いた。