すると、さっきのように腕を引っ張られ、その腕の中に引き寄せられた。


またさっきと同じ、甘いけど男らしい香水の匂い…。


「大丈夫か?」


耳元で聞こえるハスキーボイス。


なんだか、めちゃくちゃ安心する…。


「…うん」


「怖かったろ?」


「大丈夫…。ってか離して?」


「あぁ…、わりぃ…」


沈黙…。


と、いうか…。なんで松村天翔がいるの?


なんであたしなんかを助けたの?


いつの間にか授業が始まっていたらしく、校門の辺りには誰もいない。


あたしと松村天翔二人だけ…。