今までは、素直に認められなかった。


『女なんて…』と、ずっと思っていたから…。


でも…。もう認めるしかない。


俺は家の近くの桜並木の前で立ち止まった。


氷の姫桜…。


できることなら、お前の抱えている苦しみから、お前を救ってやりたい。


さっきはあんなことしちまったけど…。


でも、美桜の耳には俺があげたピアスがついていた。


少しは俺に心を開いてくれているはずだ。


絶対にお前を守ってやる…。


「好きだ…」


俺は咲き誇る桜に向かって呟いた。