【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜





「っ痛ぇ…」


女が去ったのを見届けると、聖夜は叩かれた右頬を押さえながら呟いた。


「あいつ…傷、思いっきり叩きやがった…」


「バチが当たったんだろ…」


ったく…女遊びにもほどがあるぜ…。


「別に俺から誘ってる訳じゃねぇし…」


聖夜はふてくされながら、右頬を撫でる。


そしてまた、何かを考えるように遠くを見つめた。


「ほどほどにしろよ?」


聖夜の心境を察した俺は、そう付け加えた。


すると、聖夜は頷いて美桜に視線を移した。