【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「えっと…」


聖夜はさっきまで焦っていたけれど、もう落ち着きを取り戻して返事に悩んでいる。


きっと慣れてんだろうな…。こういう状況に…。


「最低!!」


バチンという音と共に、聖夜が右頬を手でおさえる。


「…ってぇ」


女に殴られた聖夜は、顔をしかめる。


すると今度は美桜に女の視線が移る。


女はジロリと美桜を見回して睨み付けた。


「あんた、氷の姫桜?」


「…そうだけど?」


敵意むき出しの女の態度にムカついたのか、美桜は女を睨み返していた。