【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「約束破った罰だよ」


美桜はケラケラと、俺をバカにしたように笑った。


…やっぱこいつ、他の女と違う。


なんか調子狂う…。


「天翔が…女に遊ばれてる…」


聖夜は驚きをながらも、クスッと笑った。


「うるせーよ」


「美桜、ただ者じゃねぇな…」


そう言いながらも、聖夜は何故か嬉しそうだった。


そんな俺らを、美桜は少し寂しそうに笑いながら見ていた。


その顔は、まさに桜を連想させる。


美しいけれど、儚くてどこか切ない…。


美桜が時々見せるこの表情は、美桜が何か苦しみを抱えていることを物語っている。