【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

そんな俺を見て、聖夜がクスクスと笑う。


聖夜のやつ…。面白がるんじゃねぇよ…。


「ケガすんなって言ったのに…」


俺が聖夜を睨んでいると、美桜がぼそっと呟いた。


「…え?」


俺がキョトンとしていると、美桜の手が俺の顔の傷に触れた。


そんな美桜の行動に、驚くと同時にドキッと胸が高鳴った。


「放って置くと、痕になるよ」


そう言って俺の傷を指でなぞる。


「…ッ!! 痛ぇよ、バカ…!!」


俺が美桜の手を振り払うと、美桜はクスッと笑った。