【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

すると、聖夜はケラケラ笑いながら説明した。


「あぁ、これはこの前のケンカの傷」


「西陵と…だっけ?」


「そうそう」


「痛いの?」


「ま、それなりにな」


「ふうん…」


美桜は興味ありげに聖夜の話を聞いている。


やっぱり普通とは違うよな…。


「うわぁ、天翔もケガしてんじゃん」


今まで聖夜と話していたはずの美桜が、いつのまにか俺の方を向いていた。


「このくらい、ケガの内に入んねぇよ」


突然美桜に顔を覗きこまれた俺は、美桜から目を反らしながら答えた。