【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

そう言えば…。


聖夜がいたんだっけ…。すっかり忘れてた…。


「天翔、俺のこと忘れんなよ〜」


まるで俺の心の中がわかるような、聖夜の発言。


変に勘がいいんだよな…。


「美桜、笑うとめっちゃ可愛いな♪」


さっきまでの、スイッチが入った聖夜とは、まさに別人だよな…。


「聖夜、美桜がビビってる…」


「え?」


美桜は傷だらけの聖夜を見て、目を丸くして驚いていた。


「その傷…?」


美桜は恐る恐るといった感じで口を開いた。