【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「大丈夫か?」


俺が言うと、美桜は黙って頷いた。


「怖かったろ?」


「別に…」


俺がもう一度聞くと、美桜は素っ気なく返してきた。


さすが氷の姫桜…。


逃げてきた時とはまるで別人だな…。


その時、ふと美桜の体が少し震えていることに気づいた。


あぁ…やっぱり強がってるけど、怖かったんだな…。


「何かされてねぇか?」


「うん…。すぐ逃げてきたから…」


「…なんでここに来た?」


美桜の話を聞いて、ふと疑問が浮かんだ。