【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

「あの程度の奴等に苦戦してるとはな」


その言葉に聖夜の体が怒りで震えた。


「聖夜、落ち着け」


今にも飛びかかりそうな聖夜を止めて、俺は西陵のトップに静かに言った。


「さっさと諦めろ…」


「ヤダね、そっちこそさっさと渡せ」


なおもニヤニヤ笑っている、西陵のトップ。


聖夜が西陵の奴等に苦戦したことが、かなり武器になっているようだ。


「嫌がってるだろ?」


諦めない西陵のトップにイライラした俺は、呆れた口調で言った。


「関係ないね」


そしてまたヘラヘラと笑う、西陵のトップ。