【完】姫桜〜君の隣で花を咲かす〜

よく見ると美桜の体はかすかに震えていた。


「どうした…?」


俺がもう一度問いかけると、美桜は走ってきた方を指さした。


俺と聖夜は同時に美桜の指さす方を見た。


すると…。


「どこいった?」


「たぶん、こっちに走ってきたぜ」


聞き覚えのある声…。


そんな会話をしながら、走ってこちらに向かってくる人物たち。


間違いなく西陵のトップの連中だった。


西陵のトップがこちらに気づき、美桜がいることを確認すると、ゆっくりと近づいてきた。