蒼と蒼の母親だった。


「蒼っ!」


外から開いたドアに近づいて思わず叫ぶ。


そして、不思議そうにしている蒼を抱き締めた。


「空君、こんにちは。
とりあえず、家まで行きましょうか?」


蒼の母親はそんな俺をとがめたりはしないで、招いてくれた。


☆☆☆


リビングで向かい合って座ると、ようやく俺の心臓も落ち着いて、頭も冷静になってきた。


「蒼ちゃん、空君には今日のことは?」


「用事があるから学校は
お休みする、帰ったら連絡するって。」


確かに、そう約束したんだ、こんなに慌てた俺が悪い。


「すみません…陸也さんに公園で
会って、蒼が帰ったかって聞いたら、
いつになくキョドったから、
なんかあったのかって勝手に焦ったんです」


素直に話した。


「そうだったのね。
陸也は蒼を気にしすぎるのよね…
ごめんなさいね、余計な心配をかけて」


「空…ごめんね?ちゃんとお話し
しておけばよかったんだけど…」


「蒼ちゃん、空君は素晴らしい
男の子だから、きっとあなたを
何があっても大切に想って
くれると、お母さんは思うわよ?
自分で決めなさいね。」


優しく蒼に話してる母親。


俺の知らない蒼が、いるのかな?


また、ドキドキとしてきた。