せっかくの入学式…なのに今朝は小雨が降ってて肌寒い。


真新しい制服に着替えて青峰高校まで歩く。


陸也が3年、俺らが1年で通うことになる青峰は、公立の中程度の学校で、花宮町にある。


正確には花宮駅と松宮駅のちょうど中間辺りで、ほんの少し花宮に近いかなって場所にあり、電車からも見える。


俺は歩くと20分くらい、蒼は10分くらい。


☆☆☆


花宮駅で待ち合わせして通おうって話してたから、約束の時間に駅の屋根下に走り込む。


小雨とバカにしてたら、結構冷たくて濡れて寒い…。


「おはよう♪」


すでに居た蒼がハイテンションで挨拶してくる。


「はよ…寝みぃ…寒みぃ…」


まだ、スッキリしてない俺はボソッと返事する。


「わぁ♪空、制服似合うねぇ~
さぁ、いこ?傘、
一緒に入ろうねっ!」


そう言って広げた傘は、女子が持つには大型で、水色ってよりは…空色?な感じの水色と青の中間みたいな色だった。


「蒼?今朝家をでるときも、傘は
それだったの?」


「?うん、そうだけど…ダメ?」


イヤイヤイヤ……


ダメではないです…蒼さん。


ただ、理由を聞きたいなぁ…何故に男性的な色の傘なのかを…。