蒼は『コンビニスイーツ』だったらしく大喜びしていた。


ぜってぇ、後で半分食べてやる…


☆☆☆


「えっと、酒井くん!!
麗ちゃんへの、クラスからの
贈り物、代わりに開けてみてくれるかな?」


そう促されて、「みんなありがとな」といいながら、ムードメーカーらしく振る舞おうとしてるのか「いやぁ、俺の交換プレゼントはさぁ夫婦湯飲みな訳、これ、ぜってぇ500円で買えなくないかぁ?」なんて話ながら包みを開けていく。


包装紙をとり、箱を開ける…


「……お前ら…これ…」


亮一のもつ箱の中にはクラスの文化祭での写真が数枚、寄せ書き付きでと2本のミサンガ、そして、ペアのクマのぬいぐるみが入っていた。


見るとぬいぐるみは毛糸で編まれていて、胸には互いのイニシャルがあり、手を繋いでいた。


「な、こん、なん…して
俺のこと…喜ばせても…なにも…」


必死にいつものようにしゃべろうとしている亮一だが、喜びか、七瀬さんを思ってか、感情が押し寄せているようで、上手く言葉が出ていなかった。


「酒井くん、麗ちゃんは必ず、
必ず目を覚まして
酒井くんのこともクラスのことも
ちゃんと思い出す。
思いをそのミサンガにって、
一人一編み以上して気持ち込めたの。
網目が不揃いなのは許してね。」


そう、蒼が伝える。