「私、隣の県の水族館に行きたい!凄く大きいって有名だから、一度行ってみたかったんだよねぇ~。」

「・・・・・。う~ん・・・。近くでも良くない?」

男は少し悩んでいた。

「えぇ~。駄目なの?私、そこはこの前にも行った~。」

私は甘え口調でおねだりした。

近くの水族館に行って、知人に目撃されたら堪ったものではない。

私は焦りが伝わらないよう、必死に抵抗した。

「そうだな・・・。たまには遠出するか。」

「やったぁ~!!」

私はとりあえず喜んでおいた。

「で、どうやって行くの?」

私は尋ねた。

「う~ん。電車だと、面倒だし車かなぁ・・・。でも、俺の車・・・ボロイよ・・・。見て引かないでね。」

男は弱々しく答えた。

「うん!大丈夫!車なんて走れば良くない?」

私はフォローしておいたが、心の中では大きな疑惑を抱いていた。