ピピピピピピ・・・

男はいつものように電話してきた。

私達は妙な関係を結んでも、男は決して番号通知ではかけて来ようとしなかった。

私は電話番号を教えて欲しいと伝えた。

「ごめんけど、教えられない。情報はどこから漏れるか解らないから・・・。俺が毎日電話かけるからそれで良いだろ?」

「うん・・・。」

私が誰に漏らすんだよ~!

私は少し呆れながら返事をした。

よっぽど他人に正体を知られたくないのか、私から電話がかかってくると困る事でもあるのか、良くわからなかったが、そこまで男の番号が欲しいわけではなかったし、電話しないと困るという訳でもなかったので、大して気にはしなかった。

「マキちゃん。今度一緒に水族館行かない?」

「えぇっ!!行く!行く!」

初めてのホテル以外のデート。

私は初めてエッチから解放されると思って喜んだ。

「じゃぁ、今週の日曜日ね!」

男も何やら楽しそうだった。