「付き合えないよ…。」

「うん…。絶対フラれると思ってた…。でもあたしはきっと諦めないよ。だって健気だもん♪」



ゆうが俺の隣から去って行く後ろ姿を見て、何だか心が痛んだ。



ゆうは俺についてこれない…。



俺はゆうを幸せにはできないよ。



だって俺、ゆうを好きって感情がないから…。



その日以来、学校で会う度にゆうは話し掛けてきた。



いつもすげぇ元気で、疲れてる時には軽く癒されたりもした。



ゆうは学校ではYURAと気付かれてないらしい。



化粧しなければ本当に冴えない子だから…。



そんな俺とゆうを大きく変えた出来事が起こった。



ゆうの歌が爆発的に売れたんだ。



切ない片想いの歌。



そこで初めてゆうのCDを自分で買って、初めてまともにゆうの歌を聴いた。