「じゃあさ、付き合う?」

「はい!?もう一回言って?」

「だから、俺と付き合ってみる?」



俺がそう言うと、ゆうの目が一気に潤んだ。



「いいの?あたしなんかと…。」

「いや、どっちかって言うと俺なんかと付き合っていいのかって感じだけど…。」



ゆうは涙を拭ってから今まで向けられた事がないような笑顔で笑った。



「売れたら心配になるからアラ君は三流のままでいてください♪」

「三流って酷いな…。そんな事言うとキスしちゃうよ?」



始めてゆうとキスしたのは店の個室。



「ゆう、俺の事好き?」

「大好き♪」



ゆうから返ってくる大好きは、ゆうの歌よりも俺の心に響くんだ。



転校しても、ゆうとの関係は変わらない。



「あたし、最近アラ君の為に歌ってるみたい。」

「いいんじゃね?YURAさんの恋の歌は売れますから♪」



ゆうは切ない片想いの歌より、明るい恋の歌を歌うようになった。