ペラペラの
A5用紙に書かれた辞令。


辞令

社長付の
アシスタントに命ずる。



そっと
盗み見した紙には
予想通りの
コメントが載っていた。


ご愁傷様。



たしか、コイツは営業とか希望だったような気がする。
全然違う部署で違う仕事をさせられるって
ちょっと同情するな。



斉藤は
相変わらず、周囲に
ニコニコしながら、

ちょっと困ったように
「どうしよう」
なんて言っているが


多分、動揺といら立ちうっすら顔に出ている。




「なぁ、
 部署も決まったことだし
 飲みにーーーいくか?」

一応、
俺だって罪悪感ぐらいはある。