不意に ぐいっと腕をつかまれて、 体制をくずして肘が机にあたって ゴンって鈍い音を立てる。 いったぁーー って思う前に。 むにゃ。 柔らかい感触が唇に触れた。 むにゃ? 一瞬意識が飛んで 解らなかったーーー それはゆっくり離れて、 「おいしいですよ。 まずくない。 ライチ味です。深雪さん。」 心地よく 耳元で 聞きなれた声が 響いた。