彩穂は驚いた。 必死に走りすぎていて、時間制限があることを忘れていた。 言葉を繰り返しているうちにそうだ、シュートをしなくてはならない。 カウントダウンが始まったかのように、彩穂に莫大なプレッシャーがかかる。 そして運が良くも悪くも、ボールが彩穂に回ってきた。 「彩穂―っ!シュート!シュートしちゃってー!」 彩穂にボールをパスした部員が、叫ぶ。