その審判の声が聞こえてきたからだった。 部員と一緒に、一度床に腰を下ろす。 心臓がドキドキと音を立てるのがわかった。 期待でも、喜びでもない。 緊張と不安の雲が、どんどん張り巡らされて行ったからだ。 「どうしよう、緊張してきた」「体力持つかな……」 部員は次々に言葉を漏らした。 彩穂は、拳を握り締める。