「試合終了―!」 その声と共に、会場中に響き渡ったホイッスルの音が、彩穂を驚かせた。 「嘘……同点…?!」 得点板には、同じ数字が2つ並んでいる。 誰も予知しなかった展開に、会場がざわめき始めた。 彩穂は重たい体を起こし、部員の元へゆっくり駆け寄った。 「彩穂…!」 「みんな、ごめんね…私、怪我しちゃって」 今にも倒れそうな彩穂の肩を、部員が支えた。