「…っ、こんなときにっ……!」 悔しさを晴らすために、床を思い切り殴った。 それでも手が痛むだけで、気持ちは晴れなかった。 「宮岸、大丈夫か」 顧問が静かに問いかける。 彩穂は溢れてくる涙を隠すように目の周りを覆った。 「確かに…宮岸のいないチームは弱くなる。でも…今お前にできることは泣くことじゃない。仲間を信じることだ」