「彩穂っ!!」





部員は、彩穂に近寄ろうとした。

しかしそこで、顧問が叫ぶ。





「宮岸のことはいい!今は試合に集中しろ!」





顧問の言葉で、部員は再び試合に戻った。

彩穂無しのコートは、迫力が欠けていた。

そんな彩穂は、壁に体重を預け、痛みを感じる足に目をやった。

すると、足は大きく腫れ上がっていた。

自分でも、まさかこんなに酷い症状だと思っていなかった彩穂が歯を食いしばる。