風磨は、玲奈の肩が震えていることに気がついた。 しまった、と口元を押さえても、後の祭りだ。 それに風磨は、嘘をつくことが好きではない。 正直に話したかったのだ。 どちらの選択が正しかったのかが分からなくなる。 「風磨くんって…すごい優しいの…知ってるよ…」 玲奈が涙を拭いて見せた笑顔は、風磨にとって何故かすごく辛いものだった。 何かが、壊れる――? そんな予感がした。