「整列―」 首から、光るホイッスルを下げた審判が、彩穂のチームと相手チームを整列させる。 もう、試合が始まる。 彩穂は、今から始まる試合に命をかけて臨むと決めた。 ドクドクと音を立てている心臓がうるさい。 その鼓動を落ち着かせるために、客席に視線を向ける。 「彩穂―っ!」 美優がそう言って、手を振っているのが見えた。 その隣では、麻紀と雷が微笑んでいる。 絶対、負けない――。