「彩穂…本当に先輩のこと好きなんです」 「……」 言葉に詰まった風磨は、黙って聞く。 「今に始まったことじゃありません。彩穂、ずっと先輩のこと待ってました。先輩が転校先から帰って来る前日なんて、楽しみにして、ワクワクして待ってました」 「えっ…」 風磨は、思わず自分の口元を押さえる。 そんなに前からだったなんて。 思いもよらぬ事実に、驚きを隠せない。