「ちょっと風磨、休日の午前中からどこ行くの?」





母親に問いかけられた風磨は、前髪をかきあげて面倒くさそうに答える。





「別にどこだっていいだろー?ほっとけ、ほっとけ」





そう言って母親の居るリビングを通り過ぎ、玄関で靴を履く。

これから玲奈と待ち合わせをしているというのに、母親の話に付き合ったせいで遅れるなんて、ありえない話だ。