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なんで。

「毒を盛られて死んだのですって。どこの刺客か、って躍起になっているそうですわよ」

なんで。

「まぁ、あの高慢キチがいなくなったんならさっさと王を決めなくちゃあなぁ」

なんでなんでなんで。



女王は死んだ。
紅茶に毒を盛られていたらしい。
棺に収まる彼女は綺麗だけれどもう人間ではない。

呆然と、ただ、その場にいる。
圧倒的な存在感はもう醸し出されてはいないが、たしかに、彼女は、俺の下にいる。



「ねぇ、楼。何が、好き?」

「楼、私ね…………」



棺の前で膝を立てて、冷たいルルの手を取って、キスをした。

____俺の女王様、一生貴女に着いていきます。


「楼は王子様そっくりなんだよ」








敷き詰められたのはピンクのガーベラだ。
女王が死んで二日後、女王に絶対の忠誠を誓っていた騎士も死んだ。
彼の胸ポケットにはピンクのガーベラが指してあった。

今日も、ピンクのガーベラは、ゆらりゆらりとおだやかに揺れている。