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「ここ?」

「あぁ」


______児童養護施設。

極めて普通な声を、態度を出したが私は納得するのに時間がかかった。
目の前の、その大きな存在は紛れもなく現実である。


私が次の言葉をどう切り返すか悩んでいると、ドアからここの住人と思われる小さな子達と一緒に先生だと思われるおばあさんが出てきた。



瞬時に悟ったのは私が特別鋭いから、というわけではない。きっと、誰にでもこれは感じるものだ。

おばあさんはほほえんで、腰を折った。

「バカ息子がお世話になっています」



あぁ。そうか。
鍛えられた営業スマイルで同じように腰を折った。


「こちらこそ、いつもお世話になっています」



帰ったらけじめをつけなければならない。


カサカサの手が好きだといった、貴方。
私はこれから毎日ハンドクリームを練り込むことにするわね。


end