たんぽぽ



あたしは走った。


走って走って、廊下を歩く宮原くんに追いついた。
宮原くんの目の前に回って、話しかける。



『宮原くん??』



だけど、宮原くんは立ち止まることもしなくて、
ただぼーっと、歩き続けた。


あたしに“気付く”こともなく。


そしてもう一つ、変化があることに気付いた。


あたしの体は、宮原くんの体を“すり抜けて”しまった。



どうして?今までは触れられたはずなのに、
今あたし、触れなかった??




何が起きてるの??
会わなかった1週間で、何が変わったの??


どうして宮原くんは、あたしを“みて”くれないの??




『・・・みえて・・・ない??』



信じたくないことを、恐る恐る呟いた。



その瞬間、あたしは悟ってしまった。



今の宮原くんに、“あたし”はみえていないんだ。



あたしのこの声も、あたしの姿も、
もう何も、宮原くんには届いていないんだ・・・。